映画の構造分析―文庫版

映画の構造分析―文庫版

映画の構造分析―文庫版/文春文庫

2003 年に晶文社から出た単行本が、ようやく文庫化されました。
「映画はあんまり見ないし・・・」という方はタイトルだけで敬遠するかと思いますけど、
ダマされたと思って買ってみてください(620円だし)。
映画の本だと思って読んだら、なんとこれはフロイト精神分析の入門書でもあるんです。
フロイトがもう少し長生きしてハリウッド映画を見る機会があったら、「ああ、これぞ臨床例の宝庫だ」と涙ぐんだことでしょう。
そして、フロイト全集には『フロイト映画論集』が1巻入っていたはずです。
僕自身はジジェクの映画論を鈴木晶先生といっしょに訳しているときに書いた『秋刀魚の味』論と最終章の『アメリカン・ミソジニー』が気に入っています。『大脱走』論の3種の3人組という仮説についても、ぜひみなさんの感想をお聞きしたいです。